相手に「伝わる」話し方―ぼくはこんなことを考えながら話してきた (講談社現代新書)



相手に「伝わる」話し方―ぼくはこんなことを考えながら話してきた (講談社現代新書)
相手に「伝わる」話し方―ぼくはこんなことを考えながら話してきた (講談社現代新書)

商品カテゴリ:一般教養,雑学,実用知識,学習
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NHKの報道記者、首都圏向けニュースのキャスターなどを経て、「週刊こどもニュース」の語り手であるお父さん役を務める著者。本書では、相手にわかりやすく伝える「話し方」について、試行錯誤を繰り返してきたという報道現場での30年の歩みを振り返っている。

初めての「サツ回り」で、緊張して取材相手の警察官に挨拶すらできない状態から、工夫を重ねて信頼を築き、やがて情報をもらえるまでにいたったこと、事件・事故の現場リポートで、書いた文章をそのまま読み上げることへの疑問から「自分の言葉」を探ったこと、ニュースキャスター時代に目線をどこに置いて話すかや、「全体像」をどうやって見せるかに腐心したこと…。エピソードにはみな、報道現場に特有の緊迫感が流れている。

そこから得た方法論として、相手と話しやすくするための「共通体験」づくり、「つかみ」や「息づかい」などのテクニック、聞く人の知りたい順に話す工夫などのほかに、あらかじめ自分の頭の中で「絵」を描いて説明する、まず「言葉にする」ことで考えを整理するといったアドバイスも示している。

?「週刊こどもニュース」で「わからない」を連発するこどもに向き合った経験から、相手は何を知らないのか、この話し方でわかってもらえるのか、本当に伝わっているのか…という「自問自答」や「相手への想像力、相手への思いやり」の大切さを痛感したという著者。その真摯な姿勢から、伝えることの真髄が学べる。(棚上 勉)



NHK「週刊こどもニュース」の父さんからの贈り物

 NHK「週刊こどもニュース」の父さん役を経て、現在民間放送への出演や新聞等への執筆を続ける池上彰氏の一冊です。
 思いを伝えたい、何かを人に伝えたいと思う方と一緒に悩みながら、方法を探るこんな基本姿勢を感じさせる。
 同番組の視聴者には、本書に登場する各事例が身近に感じられ、あの番組の表現の背景にはこんなことがあったのかと納得しながら読み進める事が出来る便利さがあります。
 決してノウハウ本を目指してはいないが、本書により池上彰氏の伝えることに悩む過程を共有することで、自分なりの方法論が発見出来そうな気にさせる。
使えないノウハウ本

話し方のプロである著者が、話し方の本質を提示してくれる本、
かと思ったら、全くそうではなく、買って損した感が残りました。

ニュースキャスターである著者個人の経験談をメインに話が展開していくので、
「話し方」といっても、それが意味するものは「会話」ではなく、
「アナウンサーの話し方」というごく限定的な範疇に過ぎず、
そのため、この本を読んだところで
私たちが「話し方」の能力を高めることはできないという意味で、
タイトルで示したように「使えないノウハウ本」だという印象を受けました。

星2つ分は、著者の話し方が次第にレベルアップしていく様を追いかけているので、
一人の人間の個人史としては楽しめるという点によるものです。
池上彰の作り方

副題の「ぼくはこんなことを考えながら話してきた」が本書の内容を的確に表している.日本で最も知的水準の高いニュース番組のキャスターを長年つとめた池上氏のキャリアをNHK入局当時から追いながら,その過程で池上氏が考えてきたこと/行なってきたことが説明されている.話し方に関してだけでなく警察担当の記者として忙しかった頃の話も興味深く読める.たぶん「話し方マニュアル」よりも「自伝」に近いのだけど,「話し方マニュアル」「話し方の訓練方法」としても立派に通用するだろう.

話し方や訓練方法のヒントが満載であることも確かなのだが,それ以上に重要なのは何と言っても「話し方」「伝え方」を長期にわたって真剣に考え続けてきたという経験だろう.本書から得られる知識には即効性はたぶんないけど,謙虚な人ならば一度真剣に読めば心構えが変化し,きっと5年後には大きな蓄積が得られていると思う.もう一つ見逃してはならないのは,池上氏は伝える工夫をするだけではなく知識を得るため/理解するための勉強をものすごくしているということ.この点は本書ではほとんど触れられていないが,伝える工夫の前の段階として決定的に重要だ.また,これは,民放の某キャスターたち(本書に名前の出ていない人)に決定的に欠けていることだとも思う.
伝えることに勇気をもてる

ニュース番組でおなじみだった池上さん、この方がなぜキャスターとして人気があったのかよくわかる一冊だと思う。
池上さんもさまざまに試行錯誤していたのだと、自分も頑張ろうという気持ちになった。

「あまり関心ないことでも、この人が話すと聞きたくなる」とか
「今までによくわからなかったけどこの人の話をきいてから興味をもてた」という人がいるが
それは、その人の伝え方が上手いからだと思っている。
そして、どうしてそういう人たちが、伝えるのが上手いかといえば、「相手にわかりやすく伝えたい」と思って、どうすればわかりやすく伝えることができるのかを人一倍思考し、実際に試してみながら試行錯誤しているひとなのだということがわかった。
「伝えることが苦手」という人は、伝えベタだから仕方がないと諦めて努力をしていないからであり自分の努力や気持ちしだいで、相手に伝える技術はアップするのだと思った。
ひねくれた読み方

本書は、著者が記者そしてキャスターとして成長していく過程で、
試行錯誤で身につけてきたコミュニケーションの技法を、
親身になって伝えようとする好著です。
著者の謙虚な語り口とマスコミの舞台裏という興味深い素材が、
本書の価値を高めていると考えます。

ただし、駆け出し時代のサツ回りの描写にはしばし考えさせられます。
というのも、そこには老練な警察官にうぶなマスコミ関係者が操縦され、
警察とマスコミとの馴れ合いが築かれる過程、あるいは、
誤報やメディアスクラムなどの深刻な人権侵害の温床が育まれる様子が、
無意識のうちに語られているようにも思えるからです。




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